回遊歩廊のある家

和風の中にモダンな雰囲気が漂う環境に優しく人にも優しい住宅です。

建物回りはグルリと一周できます。日差しの干渉地帯であると共に外壁を長期間保護する役割を担っています。

・プラン提案

 敷地を選定するにあたり、他にも数か所検討した結果最終的に本敷地に辿りつきました。

 敷地は基は農地であったため、住居用としては敷地全体の一定部分に計画することになりました。

 雲仙市の瑞穂地区は山と谷が多く、平地は水田や畑が多いため今回国道に面する計画用地が入手できたことは幸運であったと思います。既存家屋の解体や敷地の造成なども全く必要がありませんでした。

 傾斜地への造成された敷地では地盤調査の結果によっては杭工事などの基礎工事費用が余計に必要になってきます。

 地盤調査及び試験を行った結果、地盤強度が比較的良好でしたのでベタ基礎仕様で計画することができました。湿気対策にもなり、建物荷重を分散するためにもベタ基礎の選択は良かったと思います。

2階建てプラン

 実は設計を初めてしばらくの間、2階建ての計画で設計を行っていました。施工していただく工務店を探す段階で平屋も検討することになり、平屋プランも検討する運びとなりました。

 そこで最初の2階建てプランと平屋建てプランも加えて検討を重ねた結果、立面デザイン的には横に広がった落ち着いた雰囲気を演出できる平屋の方がこの敷地に似合うのではないかと言う結論にまとまっていきました。

 住宅は長期間使用するものですから、施主様が将来高齢になっても使用し易い平屋の方が上下の移動負担も少ないのではないかと言うのも平屋のメリットだと言えます。

・平面プラン

平面プラン

 平面計画においては各部屋のプライバシーを確保しながら、有効な導線を確保できることを検討しました。

通常、廊下部分を減らし、生活空間を多く確保することが求められるケースもありますが、あえて廊下を確保することで各部屋のプライバシーを確保し、かつ明るさを確保する、さらに天井を高くすることで家の風格を演出する空間として提案させていただきました。

・外観提案

庇の効果

建物の特徴でもある外廊下ですが、庇部分を長く確保することで強い日差しから外壁を守ります。

夏の暑さ対策も兼ねています。実際、太陽光が直接外壁に届く時間帯を大幅に減らしています。外壁の劣化も防止してくれますので、メンテナンスも一般の外壁に比べ長持ちすることでしょう。

・室内イメージ提案

 外壁の落ちついたシックな色合いから、一歩内部に入った瞬間、真逆の印象を与えるように内部は明るく白いイメージと無垢木材の木肌色をベースにインテリアを計画しました。昼間でも明るく、塗装クロスも光を反射してくれるのでかなりの明るさを確保することができました。直射日光が入るのではなく、庇で影になったやわらかい光が室内を暖かくソフトに明るくしてくれます。

 キッチンと対面したリビングを中心に諸室が取り囲む構成とし、プライバシーの確保と親和性を両立させるプランです。

ハイサイドライト

 リビングは室内のインテリア家具の配置を考慮し、壁の高い位置から光を取り入れるようハイサイドライトを活用しています。TVボードやソファを配置する位置を想定し、西日が気にならないように窓の計画に配慮しました。

 敷地内でできる限り建物を北側に配置し、南側にウッドデッキスペースを設けています。

 ウッドデッキを有効に活用できない場合でも大きな窓を通してリビングと視覚的につながっているため外の植栽がいつでも楽しめるような計画としています。

フリースペース

奥行がある計画ですのでどうしても、住宅の中心は光が届きにくくなります。

水まわりである、トイレ・洗面・浴室の換気と水音の排除を兼ねてフリースペースを設けることにしました。

さらに、主寝室を落ち着いた空間にできるように、フリースペースをその間に設けることで、廊下にも明かりと空気の流れが生まれました。

この空間の利用方法については、これから住みながら作りあげていけるようあまり過度に手をいれませんでした。今後、趣味の空間、中庭的な利用、子供の遊び場、工作場、あるいはデッキスペースにすることも可能です。